1982年に登場したボルボのフラッグシップモデルである760。ボルボはこのモデルをモータースポーツに投入することを計画し開発を進めていた。約300馬力の2.3L 直4ターボエンジンを搭載し、ゲトラグ製の5速マニュアルトランスミッションを組み合わせられたこの個体には、500台限定のホモロゲーションモデルへの導入を想定したフロントスポイラーとリアスポイラーが装着されていた。Gr.Aの760ターボは、旧式の240ターボと比較テストを進めていくが、次第に240ターボの方がポテンシャルがあることが発覚してしまう。大柄でホイールベースの長いディメンションは俊敏性に欠き、240のクーペボディに対して760のセダンボディではボディ剛性が劣っていたのである。この事実を受け止め、ボルボは760ターボの開発プロジェクトを中止。以降は240ターボの熟成に集中し、こちらは1985年のETCを制覇するなど輝かしい成果を上げて行った。
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