アルピーヌ GTA(日本ではV6ターボ)の進化版がA610。バックボーンフレームを備え、ポルシェ911と同様のリアエンジンかつ2+2というレイアウトはそのまま踏襲しつつ、シャシー剛性は大幅に向上。また、GTAではリアヘビーだった前後重量配分は43:57へと改善されていた。PRVのV6ターボエンジンは3.0Lに拡大され、250馬力、35.7kg-mを発生。外観はGTAに似るが、グラスエリア以外は新しいデザインのFRP製ボディパネルとなり、新たにリトラクタブル式ヘッドライトが採用された。その高い走行性能は多くの自動車ジャーナリストから賞賛を得たが、反面売り上げは伸びず生産台数は818台に留まる。そしてA610の生産終了後、新生A110が復活するまでアルピーヌブランドはしばらく途絶える事となった
A610には92年のアルベールビル冬季オリンピック開催を記念して製造されたガーデニアホワイトの”アルベールビル”、91年のフランスGPでウィリアムズルノーが優勝したことを記念して31台が限定生産された”マニクール”が存在。また市販はされなかったが、カブリオレモデルも開発されていた。
画像ギャラリー