アメリカでフェラーリ販売代理店を営み、またNART(ノース・アメリカン・レーシング・チーム)を率いてモータースポーツでの活躍も有名だったルイジ・キネッティ。そんな彼が、今まで扱ってきたフェラーリ以外の車での販路を求めて、GMとの協力のもと生み出した車がキャデラック NART ザガートだった。ベースとなったのは前輪駆動のキャデラック エルドラドだったが、この車ではそのパワートレーンをリアに移設し、2+2のスペースを確保したうえでミドシップレイアウトへと大改修を受けていた。その心臓部にはエルドラド用8.2L V8 OHVをチューニングして搭載し、400馬力のパワーを発生。デザインはルイジ・キネッティJr.が構想したものと言われ、これはザガートの手により具現化された。この車は1971年のトリノショーで公に披露され、購入希望者からの評判は上々ではあったが、結局量産はされず世に出たのは1台のみであった。

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