1982年2月、三菱のハッチバック車「ミラージュ」の上級モデルとして登場した3ドア・スポーツクーペである。姉妹車のトレディア(4ドアセダン)と共に開発された。くさび形のウェッジシェイプを基調としたデザインは空力特性に優れ、当時の国産車トップレベルのCd値0.34を実現していた。
パワーユニットは、当初1.4L(G12B型)および1.6L(G32B型)の直列4気筒エンジンを搭載。1.6L仕様には、最高出力115馬力を発生するターボモデル「1600GSR-S/GSR」が設定された。1983年には、世界初の1.8LクラスFFターボ車として1.8L(G37B型)の電子制御燃料噴射(ECI)ターボ仕様を追加。最高出力は135馬力、最大トルクは20.0kgmへと引き上げられ、動力性能が大幅に強化された。
変速機において最大の特徴は、マニュアル車(1.4L/1.6L仕様)に採用された「4×2スーパーシフト」である。これは4速の主変速機に、走行状況に応じて「パワー」と「エコノミー」の2段に切り替え可能な副変速機を組み合わせたもので、実質的に前進8速の多段変速を可能にしていた。なお、1983年に追加された高出力な1.8Lターボ仕様においては、増大したトルクへの対応からスーパーシフトは用意されず、通常の5速MTまたは3速ATが組み合わされた。
インテリアでは、国産車初となる「液晶式デジタルメーター」を最上級グレードに採用し、視覚的な先進性も追求された。1984年のマイナーチェンジでは、フロントグリルのデザイン変更とともに、当時クラス唯一の4WDモデルを追加した。しかし、国内市場ではその先進的な試みが十分に受け入れられず、1987年に日本国内での販売を終了した。一方、北米やオーストラリアなどの海外市場では、その手頃なサイズとスポーティな性格が評価され、1990年頃まで生産・販売が継続された。

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