2019年のマイナーチェンジに伴い登場した「400R」は、V37型スカイラインのハイパフォーマンスグレードであり、かつての「R33型GT-R」をベースとした伝説的なコンプリートカーの名を冠する特別なモデルである。インフィニティエンブレムから日産エンブレムへと回帰したタイミングで投入され、国産スポーツセダンとして最高峰の動力性能を誇る。
パワーユニットには、3.0L V型6気筒ツインターボエンジンである「VR30DDTT」型を搭載している。このエンジンは標準仕様でも304馬力を発生するが、400Rにおいてはターボの回転センサーによる過給圧制御の最適化や、空冷式よりも冷却効率に優れた水冷式インタークーラーの採用、さらに高耐熱のタービンホイールを用いることで、最高出力を405馬力/6,400rpm、最大トルクを48.4kgm/1,600-5,200rpmへと大幅に引き上げている。トランスミッションはマニュアルモード付きの7速ATが組み合わされ、大排気量マルチシリンダー特有の重厚な加速感を提供している。
シャシー面では、世界初のステア・バイ・ワイヤ技術である「ダイレクト・アダプティブ・ステアリング(DAS)」を標準装備し、電子制御によって路面状況に左右されないダイレクトな操舵感を実現した。また、走行状況に応じて減衰力をリアルタイムで制御する「インテリジェント・ダイナミック・サスペンション(IDS)」を採用しており、スポーツセダンらしい引き締まった足回りと快適な乗り心地を両立させている。外観上は、19インチの専用ガンメタリック塗装ホイールやレッド塗装された対向4ピストンブレーキキャリパー、そしてブラックアウトされたドアミラーなどが、標準モデルとの識別点となっている。
室内空間は、400R専用のレッドステッチが施されたスポーツシートや、パドルシフトが備わる本革巻きステアリングにより、ドライバーの気分を高揚させる演出がなされている。自動運転支援技術については、ハイブリッドモデルに採用された「プロパイロット2.0」ではなく、従来型の「プロパイロット」が搭載されているが、これはエンジン出力を重視する走りのモデルとしての位置付けによるものである。400Rは、電動化へと向かう時代の中で、大パワーの内燃機関を搭載した国産スポーツセダンの魅力を今に伝える貴重な存在である。

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