三菱 パジェロ ジュニア(1995-98 日本)

三菱

1995年に発売されたパジェロジュニアは、RVブームの中で「パジェロミニ」をベースに開発されたモデルである。軽自動車のパジェロミニのボディを基本としながら、樹脂製の大型オーバーフェンダーと専用バンパーを装着することで、力強い存在感とワイドトレッドによる走行安定性を手に入れた。全幅は1,545mmに拡幅され、軽自動車の枠を超えたゆとりある外装デザインは、都市部での取り回しやすさとパジェロ譲りの本格的な雰囲気を両立させ、当時の「スモールRV」市場において多くのユーザーを惹きつけた。

パワーユニットには、1.1L 直列4気筒SOHC 16バルブエンジン「4A31型」が搭載された。最高出力80馬力、最大トルク10.0kg-mを発生し、1トンを切る軽量な車体を軽快に加速させる動力性能を誇った。このエンジンは低中速域のトルクを重視したセッティングが施されており、高速道路のクルージングや登坂路においても、660ccのパジェロミニとは一線を画す余裕のある走りを提供した。トランスミッションは5速MTと3速ATが用意され、コンパクトながらも普通車としての動力性能を十分に確保したパッケージングが特徴であった。

四輪駆動システムには、走行中に2WDと4WDの切り替えが可能な「イージーセレクト4WD」を採用した。副変速機を備えた本格的なパートタイム式であり、悪路走破性は兄貴分であるパジェロ譲りの実力を備えていた。シャシー構造はモノコックボディにラダーフレーム状の補強を施した「モノコックフレーム」を採用。フロントにマクファーソン・ストラット、リアには5リンク・コイル式サスペンションを配置し、オフロードでの十分なサスペンションストロークと、オンロードでの乗用車に近い快適な乗り心地を高い次元でバランスさせていた。

1997年には、クラシックカー風の意匠を施した「フライングパグ」などの個性的な特別仕様車も登場し、RV市場に彩りを添えた。1998年に後継モデルとなる「パジェロイオ」にバトンタッチするまで、わずか3年弱の短いモデルサイクルであったが、累計販売台数は約7万台に達した。パジェロジュニアは、軽自動車では物足りないがフルサイズは大きすぎるという層のニーズを的確に捉えたモデルであった。

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