日産 ローレル(1980-84 日本)

日産

1980年11月に登場した4代目ローレル(C31型)は、「アウトバーンの旋風」をキャッチコピーに、先代から一転して欧州車的な機能美とモダンな高級感を追求したミドルクラスセダンである。ボディバリエーションは、保守的な4ドアセダンと、スタイリッシュな4ドアハードトップの2種類を設定。当時、市場で絶大な人気を博していたトヨタ マークIIに対抗すべく、日産の高級パーソナルカーとしての地位を再定義する役割を担った。

エンジンは、2.0L 直列6気筒SOHC「L20E」(125馬力)や、そのターボ仕様である「L20ET」(145馬力)、さらには2.8Lの「L28E」(155馬力)といったL型エンジンシリーズを中心に、4気筒や日本初の乗用車用直列6気筒ディーゼル「LD28」型(91馬力)など、多岐にわたる選択肢が用意された。シャシー面では、上位グレードにセミトレーリングアーム式の後輪独立懸架を採用し、フロントのストラット式と合わせて四輪独立懸架を構築。オートスピードコントロール(ASCD)と呼ばれるクルーズコントロールを搭載するなど、高速巡航時の静粛性と快適な乗り心地が追求されていた。

デザインは、空力特性を重視した直線基調のスリムなフォルムが特徴で、ハードトップモデルの空気抵抗係数(Cd値)は当時としては優れた0.38を実現した。一部モデルには世界初の乗用車用「足踏み式パーキングブレーキ」を採用し、「電子式ボイスワーニング」を装備するなど、先進デバイスを積極的に導入。内装の質感にもこだわり、高級感のあるシート生地や洗練されたインストルメントパネルを採用することで、伝統的なラグジュアリーと先進技術が共存する独自の空間を演出した。

1984年に後継のC32型へバトンを渡すまで、C31型は「メダリスト」というグレード名をローレルの象徴として定着させるなど、ブランドイメージの刷新に大きく貢献した。洗練されたスタイルと四輪独立懸架による質の高い走りは、生産終了から40年以上が経過した現代においても、1980年代初頭の日産が目指した機能的で豊かなカーライフの象徴として語り継がれている。

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