ロータス エリート(1957-1963 イギリス)

ロータス

1957年のロンドン・モーターショーで発表された「ロータス エリート(タイプ14)」は、コーリン・チャップマン率いるロータスが手がけた本格的なGTクーペである。別体の金属フレームを持たず、車体構造全体を繊維強化プラスチック(FRP)で一体成形した世界初のFRPモノコックを採用。優れた空力特性を持つクーペフォルムと徹底した軽量化により、車両重量は約600kg台前半に抑えられた。

動力部には、消防ポンプ用を起源に持つコヴェントリー・クライマックス製の1.2リッター直列4気筒SOHC「FWE型」アルミユニットを搭載。SU製キャブレターとの組み合わせにより75psを発生し、高性能仕様では85ps以上まで高められた。足回りには前部にダブルウィッシュボーン、後部にチャップマン・ストラットを備え、四輪ディスクブレーキを採用。車体後方のブレーキをデフ側に配置するインボード式とし、バネ下重量の低減を図った。

卓越した軽さと操縦性を武器に、ル・マン24時間レースでは1959年から6年連続で1.3リッター以下のクラス優勝を果たすなど、サーキットで圧倒的な強さを発揮。車体成形は初期のマックスマー社から航空機製造のノウハウを持つブリストル社へと切り替えられ、品質改善を図りながら約1,000台が生産された。

製造コストや耐久性の課題から後継モデルでは鋼管バックボーンフレームへと移行したが、提示した構造革新は自動車史において特異な輝きを放つ。極限の軽量化と空力追求により、小排気量で大排気量車を凌駕する走りを具現化した、チャップマンの設計思想を象徴する歴史的名作である。

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