キャデラック シエン コンセプト(2002 アメリカ)

キャデラック

2002年の北米国際自動車ショーで発表された「キャデラック シエン」は、ブランド生誕100周年を記念して製作されたミドシップのスーパースポーツである。車名の「シエン」はスペイン語で「100」を意味し、当時の新デザイン言語「アート&サイエンス」を先鋭化。ステルス戦闘機F-22に着想を得た車体は、英プロドライブ社の手で実走可能なプロトタイプとして具現化された。

コックピット背後には、英コスワース社が試作開発を担当した7.5リッターV型12気筒DOHC「ノーススターXV12」を縦置きで搭載。オールアルミ製ユニットは直噴システムを備え、低負荷時に6気筒を休止させる機構を導入した。自然吸気ながら750hp(約760ps)、450lb-ft(約610Nm)を発生させ、V8並みの寸法と高効率な燃費性能の両立を追求した。

骨格には炭素繊維に先進断熱素材「エアロゲル」を積層した複合材モノコックを採用。駆動系にはプロドライブ製のパドルシフト付き6速セミATを組み合わせ、後輪を駆動した。前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションや前19/後21インチのホイールを備え、可動式冷却ルーバーやリアスポイラーによる電子制御の空力・熱管理システムも盛り込まれた。

0-60mph(約96km/h)加速3.5秒、最高速度約350km/hと公称された卓越した速さは、当時の欧州スーパーカーに匹敵した。莫大な開発費などを理由に市販化は見送られたものの、大排気量マルチシリンダーの先進技術と急進的な造形美を高度に融合させたコンセプトモデルであった。

画像ギャラリー

タイトルとURLをコピーしました