ボンド バグ(1970-1974 イギリス)

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1970年に登場した「ボンド バグ」は、リライアント傘下の英ボンド・カーズが販売した前1輪・後2輪の3輪スポーツカーである。オーグル・デザインのトム・カレンが手がけ、鮮烈なタンジェリン・オレンジの専用カラーと前衛的なウェッジシェイプを纏って登場した。英国の税制優遇や二輪免許で運転できる利点を活かし、若者向けのファンカーとして企画された。

最大の特徴は、一般的なドアを廃しキャビン上部全体が前方に持ち上がるチルト式キャノピー構造である。車体はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で成形され、約400kgという極めて軽い重量を実現。生産は当初ボンド社のプレストン工場で行われたが、同年中の閉鎖に伴い、大半の期間はリライアント本拠地のタムワース工場で製造される実質的なリライアント製モデルであった。

エンジンは、先進的なオールアルミ合金製のリライアント製水冷700cc(のち750cc)直列4気筒OHVを搭載。独立した前部ボンネットを持たず、エンジンは前輪直後から車内中央(運転席と助手席の間)に食い込む形で縦置き配置され、整備は室内側のカバーを外して行う特異な構造であった。アルミエンジンの圧倒的な軽さと4速マニュアルの組み合わせにより、スポーツカーに迫る走行感覚を提供している。

その未来的な造形は話題を呼んだが、実用性の制約や一般的な4輪小型車(BMC・ミニ等)と拮抗する割高な価格設定が響き、生産台数は約2,270台にとどまり1974年に終了した。奇抜なアイデアとポップカルチャーが融合した、英国車史上屈指のアイコンである。

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