トヨタ セリカのノッチバックモデルについて

車の小噺

トヨタ セリカは、フォード マスタングの成功に倣い開発された、いわば日本版マスタングのような立ち位置の車でした。ボディスタイルもマスタング同様、ノッチバックスタイルでデビューし、ファストバックスタイル(セリカではLB=リフトバックと呼称)が追加。この2タイプは3代目セリカまで並行してラインナップされていました。

初代から3代目セリカのノッチバックとファストバックのそれぞれのモデル

この流れが変わったのはセリカが4代目のST16系となった時。セリカはファストバックモデルのみとなり、代わりにノッチバックモデルはコロナクーペと言う名前を与えられ、リトラクタブルヘッドライトから固定ライトに変えられるなど、差別化を図られていました。北米ではノッチバックもセリカとして販売されました。

日本版のコロナクーペは固定式ヘッドライトを与えられました

ちなみに北米IMSA GTOクラスでダン・ガーニー率いるAARチームが1986~88年に走らせて大活躍していたST162セリカのシルエットフォーミュラもノッチバッククーペボディとなっていました(ハッチバックも存在)。

IMSA GTOに参戦していたセリカ

続くST18系では、日本国内には兄弟車も含めてセリカのノッチバックモデルは未設定。しかし、北米での需要は依然存在しており、国内未導入のノッチバックモデルが用意されていました。

日本で見る機会の無かったため、その姿が新鮮に感じるノッチバックのST18系セリカ

ST20系はセリカにノッチバックモデルが用意された最後の代となります。国内ではコロナクーペでは無く、カレンと言う新しい名前を与えられ、セリカの兄弟車として設定。海外では丸目4灯のまま、セリカの名称となっていました。コロナクーペの時もそうでしたが、日本国内では前衛的なファストバックユーザーに対して、ノッチバックユーザーを保守的ととらえていて、オーソドックスなフロントマスクになっていたようです。

日本版はオーソドックスな顔つきを与えられカレンと呼ばれました

そしてセリカの最終モデル、ZZT系からはついにノッチバックモデルが無くなり、ファストバックのみの設定となってしまいました。スタイリッシュなクーペモデルの需要が減少していたことからの必然、セリカ自体もこれで最後となってしまったので、ノッチバック廃止は仕方のない判断でした。

《テキスト:GV》

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