ビュイック Y-Job(1938 アメリカ)

ビュイック

世界初のコンセプトカー、Y-Job

ゼネラルモータースデザイン部門の責任者だったハーレー・J・アールの指揮のもとスタイリングされたワンオフのショーカー。革新的なスタイリングに対する顧客の反応を確認するためのモデルで、これが世界初のコンセプトカーだった。それまでの自動車に比べてより低く、より長く伸びやかなボディを与えられ、また航空機の試作機を示す”Y”というアルファベットが使用されている通り各所に航空機的なデザインが導入されていた。エンジンは141馬力の5.2L直列8気筒を搭載。電動ソフトトップやパワーウィンドウ、リトラクタブル式ヘッドライトの採用など、装備面も先進的だった。Y-Jobに対するマスコミや顧客の反応は熱狂的なものであり、アメリカ車がより大胆なデザインに挑戦していくきっかけとなった。また、自動車メーカーがコンセプトカーを発表して市場の反応を伺う流れもその後のトレンドとなっていった。

Y-Jobの製作を指揮したハーレー・J・アールは、完成したこのコンセプトカーを長年にわたり日常的に運転していた。自らがそのデザインの広告塔となったのだ。Y-Jobの先進的なデザインは15年後の未来を先取りしたもの。その後、第二次世界大戦を跨いでアメリカ車はテールフィンを備える華やかなデザインの時代を迎えるが、そのトレンドをリードしたのもまたハーレー・J・アールだった。

ハーレー・J・アールとビュイックY-Job

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