幻のコスワースV10を搭載したボルボS80

車の小噺

1998年にデビューしたボルボのフラッグシップセダン、S80。この車はドイツ製の同クラスセダンに真っ向から勝負を挑むべく開発されていた。

そのため、ボルボはコスワースに協力を仰ぎV10エンジンの開発を依頼。WDAと呼ばれたコスワースの4.3L オールアルミV10は7000rpmで325馬力を発生。ボルボはこれをS80フロントに横置き搭載し、5速オートマチックと組み合わせる算段だった。残念ながらこのエンジンは重量が嵩む等の理由から市販車には採用されず、代わりにS80のハイパワーバージョンは2.8Lの直6ツインターボを搭載してリリースされる事となった。

WDAと呼ばれたコスワース製4.3L 72° V10エンジン
コスワースV10のパワーデリバリー、325馬力を発生した
ボルボS80開発中のスクープ記事、この段階ではコスワースV10搭載モデルを市販予定だった

実際市販された272馬力の2.8L直6ツインターボを搭載したS80 T6。当初計画のV10横置きも凄いが、直6横置きもまた異例。このレイアウトに対応できる既製6MTが無かったことから、ボルボではトランスミッションを自製することになる。ここからしばらく、ボルボのハイパワーモデルと言えば直6横置きが定着することとなる。

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