1968年に設立したイタルデザインにとって初のショーモデルは、わずか40日間で仕上げられたという逸話が残るビッザリーニ マンタだった。このコンセプトカーは、ミドエンジンレーシングマシンのビッザリーニ P538をベースに、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたボディを身にまとっていた。ボンネットとルーフが連続する先進的なワンモーションフォルムを採用し、フロントガラスの傾斜角はわずか15°となっていた。また、ドライバーをセンターに配置する3シーターとなっていたことも大きな特徴であり、このレイアウトによりドライバーの着座位置を前進させることができ、5.3LのシボレーV8を縦置きするレイアウトながらも、短いホイールベースを維持しつつ快適な空間を確保していた。

ちなみにマンタのベースとなったシャシーナンバー003のビッザリーニ P538は、1966年のルマン24時間を戦ったマシンそのものだった。その後レースで戦う場を失っていたP538は、ジウジアーロの手により新たなボディを与えられ再び世界中から注目される存在となった。

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