フォード 999(1902 アメリカ)

フォード

ヘンリー・フォードが手掛けたレーシングカー。剥き出しの車体に大型のエンジンを搭載した速さのみを追求したマシン。18.9Lの直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力は80馬力を発生。このタイプのマシンは2台が製作され、赤い個体が”999″、黄色い個体が”アロー”と呼ばれた。”アロー”は1903年のレース中にドライバーが亡くなる大事故を起こす。ヘンリー・フォードはこの個体を買い戻し修復、あらためて”999″へと改名。翌1904年1月12日に凍ったセントクレア湖の上で、ヘンリー・フォード自身が最高速アタックを敢行。スロットル操作は整備士”スパイダー”ハフがエンジンにしがみ付き行った。ヘンリー・フォードは寒さに凍える環境の中で暴れるマシンを見事手なずけ、91.37mph(147.05km/h)の陸上速度記録を樹立。この瞬間、彼が世界最速の人間となった。この速度記録は、1903年に設立したばかりのフォードモーターカンパニーにとって、大きな宣伝効果を生み出すものだった。

大排気量のモンスターマシンを操ったのは、ヘンリー・フォード自身だった

ヘンリー・フォードは自身の名を冠したヘンリー・フォード カンパニーに在籍していたが、彼はレーシングカーである999の開発に相当な時間とコストを費やしており、財政支援者と対立を起こしてこの会社を去る事となった。ヘンリー・フォード カンパニーはその後、キャデラック オートモビル カンパニーへと名称を変更された。また、ヘンリー・フォードは1903年にあらためてフォード モーター カンパニーを設立。こちらが現在に続くフォードのルーツである。

ヘンリーフォードカンパニーはキャデラックとなり、新たにフォードモーターカンパニーが設立された
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