シボレー コルベット スティングレイ “XP-796″(1963 アメリカ)

シボレー

GMのエド・コールはフォード サンダーバードに対抗するため、C2コルベット導入時に4シーターモデルの追加を検討していた。ラリー・シノダによりデザインの改修を受けたこの4シーターコルベットはホイールベースを6インチ延長し後部座席を配置した。しかし、コルベットの父と呼ばれるゾーラ=アーカス・ダントフをはじめ、GM内にはこのデザインを嫌うものも多く、また機構的に後部座席への乗降にも課題があったため市販化は断念された。この個体については、その後スクラップにされてしまった。

元々コルベットの対抗馬として登場したフォード サンダーバード。スポーツカーであることが軸だったコルベットに対して、豪華で快適なツアラーを目指したサンダーバードは2代目には4シーターへと改良され、販売台数を大幅に伸ばした。コルベットもこの路線に流れそうになったが、GMの良心がそれを踏みとどまらせた。

ここで通常のC2コルベットと、”XP-796″ 4シーターを比較してみる。XP-796はホイールベースが6インチ延長されドアも大型化。後部座席の頭上空間を確保するためにスプリットウインドウまわりは丸みを帯びた形状となっており、間延びして重々しい印象を受ける。

タイトルとURLをコピーしました