1980年代初頭、シトロエンはWRCを制すべく高い戦闘力を持つマシンを構想していた。それは「ジェネシスプロジェクト」と呼ばれ、エントリーモデルのヴィザをベースとしたマシンで、ルノー5ターボと互角以上に戦うというもの。この中でいくつかのプロトタイプが製作されたが、ビザ ロータスもその中の1台である。これはなんと、ロータス エスプリ ターボの車体にビザのボディを乗せたシルエットフォーミュラとも呼べるラリーカーだった。基本構成はエスプリ ターボに準じ、ミドシップ配置される直4 2.2Lターボは210馬力を発生する。これにSM用の5速マニュアルトランスミッションを組み合わせた。車重は1000kg程度であり、このスペックなら5ターボにも対抗できるはずだった。しかし、アウディ クワトロの活躍を目の当たりにしたことでリアドライブでは太刀打ちできないと判断され、このマシンがWRCで日の目を見ることはなかった。その後シトロエンはヴィザ トロフィー/クロノ/ミルピスト、そしてBX 4TCをGr.Bマシンとして実戦投入していくこととなった。
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