それまで使用されてきたメルセデスベンツ 770(グロッサーメルセデス)の後継車両として、プリンス自動車が開発し宮内庁に納入した御料車がこの車である。プリンス自動車の技術の粋を集めた車ではあったが、あえて技術的な冒険はせずに信頼性にも大きく配慮された。前席と仕切られた後部座席には大きなスペースと室内高が確保され、そのためボディサイズは全長6.3m×全幅2.1m×全高1.8mと特大サイズとなった。フレームははしご型とX型を組み合わせた頑強なもので、サスペンションも前:ダブルウィッシュボーン、後:リーフリジットとオーソドックスな組み合わせであった。車両総重量は3000kgを超えており、これに対応するために強力なエンジンを搭載していた。この車のために専用開発されたのは6.4LのV8 OHVエンジンで、260馬力、52kg-mを発生。これにGM製の3速ATを組み合わせ、最高速度は160km/hをマークする動力性能も兼ね備えていた。プリンス ロイヤルの開発はプリンス自動車にて行われたが、この車が世に出る際にはプリンスが日産と合併していたことから、車両名称に日産も冠されていた。
画像ギャラリー