アルファロメオ ティーポ160(1952-54 イタリア)

アルファロメオ

F1グランプリ黎明期(1950年、51年)のチャンピオンマシンであるティーポ158/159の後継車として開発が進められたマシン。アルファロメオは51年限りでグランプリから撤退していたが、その後も次期マシンの構想は練られていた。ティーポ160はジュゼッペ・ブッソによる設計であり、そこには斬新なアイデアが盛り込まれていた。燃料タンクは車両中央に集約し、燃料量の変化が操縦性に与える影響を最小限に抑えた。これによりドライバーの着座位置はリアアクスル後方へと追いやられることとなった。前後のブレーキはばね下重量軽減のためにインボード配置された。また、ティーポ158/159と同様にトランスアクスル方式を取るが、そこからフロントにプロペラシャフトを延ばし四輪駆動とした。前輪への駆動は任意で断続可能なパートタイム式。エンジンは2.5Lの180°V型12気筒DOHCを搭載し、300馬力を発生。しかし、アルファロメオとしては量産車であるジュリエッタの開発に注力していたこともあり、このマシンはプロトタイプの製作にとどまり実戦への投入はなかった。

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