サフランは25の後継車として1992年に登場した大柄な5ドアハッチバックであり、ドイツの高級サルーンに対抗するモデルだった。そのサフランのラインナップの中でも最も高性能なモデルに位置したのがビターボ。エンジンはアルピーヌA610用の3.0L PRVターボエンジンをベースにハルトゲがチューニング。KKK製タービンを2つ与えられ、268馬力、37.0kgmを発生。車名の「bi-turbo」はこれに由来した。このパワーに対応するため、21ターボでも採用されていたクアドラと呼ばれるビスカス式センターデフを持つ四輪駆動システムを投入し、6速マニュアルとの組み合わせで0-100km/hは7.2秒、最高速度は250km/hを得た。シャシーや足回りもハルトゲによるチューニングを受けており、またエアロパーツはイルムシャーが担当するなど、フランス車ながらもドイツ仕立ての車となっていた点も特徴だった。6速マニュアルのみの設定であったことや、ステータス性を重視する向きにはV6エンジンであることがネックとなり、生産台数はわずか806台に留まった。
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