レクサスLS400の登場に危機感を持ったメルセデスベンツは、これに対抗するモデルとしてより大型のV8エンジンを搭載した400Eを設定した。W124系では最強モデルとしてポルシェが開発に関与した500Eが用意されていたが、これはある種特殊なモデルであり、LS400の対抗馬とはなり得なかった。400Eはそれまでの既存モデルである300Eと同様の落ち着いた見た目を持っていた。しかし、M119型の4.2L V8 DOHCエンジン(268馬力)を搭載するために、バルクヘッド周りやフロアトンネルを広げた500Eと共通点の多いシャシーが採用されていた。フロントサスペンションやブレーキ周りなどにはSL用の部品も使用されており、その内容は500Eよりもむしろ「羊の皮を被った狼」という言葉がふさわしいものであり、0-100km/hは6.8秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)とLS400と互角以上の速さを誇った。なお、400Eはその後モデル名が変更され、E420と呼ばれるようになった。

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