フランスの実業家であるジョン・タステヴァンが生み出した高級グランドツアラー。ファセル・ヴェガ亡き後のフランスにこの手の車がないことを憂いたタステヴァンが開発プロジェクトを立ち上げる。ちなみにその車名はタステヴァンの妻の名前だった。モニカは5m級の大柄なセダンだったが、リトラクタブルヘッドライトの採用でスマートなフロントマスクを与えられるなど、全体的に流麗で美しいフォルムを持っていた。長い開発期間の中で、ローレンスチューンのTR4用エンジン、テッド・マーティンによるF1用V8エンジンが検討されたが、最終的にはクライスラー製5.6L V8 OHVをチューニングして搭載し285馬力の高出力を誇った。このハイパワーのおかげで、重量級のセダンにも関わらず200km/hの高速巡行に耐え、最高速度は240km/hに達すると言われた。しかしモニカは新興自動車メーカーとしては高価すぎる価格設定に加え、第一次オイルショックの影響をもろに受けてしまい、生産を軌道に乗せることができずにメーカーとして終焉を迎えてしまった。

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