ビトゥルボのオープンモデルとして、コーチビルダーのエンボが手掛けたカブリオレが1982年のトリノモーターショーで披露された。このエンボ製カブリオレは市販されることはなかったが、アレッサンドロ・デトマソはオープンモデルのアイデアを改めてザガートに託した。2年後のトリノモーターショーで一般公開されたザガート製のオープンは「スパイダー」と名付けられた。ザガートはオープン化にあたりビトゥルボのホイールベースを2,400mmへと短縮。これにより引き締まったプロポーションとハンドリング性能の向上を狙った。ザガートによるスタイリングは、直線基調で端正なクーペの印象を残しつつ、ソフトトップを開けた際の流麗なシルエットが際立つ、エレガントなものに仕上げられた。エンジンは車名の由来となったV型6気筒ツインターボであり、イタリア国内向けは2.0L(180馬力)、輸出向けは2.5L(192馬力)を搭載していた。当初はキャブレターだったが、86年からはインジェクションへと改良を受け、その後輸出向け排気量は2.8Lへと拡大された。スパイダーは長いモデルライフの中で2度のフェイスリフトを受け、そのデザインはガンディーニの影響が強くなっていった。

こちらは1982年のトリノモーターショーで披露された、エンボが手掛けたビトゥルボ カブリオレ。エンボは1979年よりパンテーラのボディを手掛けるなどアレッサンドロ・デトマソと縁が深いコーチビルダーだった。エンボ製カブリオレはあくまで標準のビトゥルボがベース、ホイールベースも同一であった。

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