ロータス オメガ/カールトン(1990-92 ドイツ/イギリス)

オペル

1986年にGMがロータスを買収したことで、GM系メーカーが持つ既存車種にロータスがチューニングを施すという手法がいくつか見られるようになった。その最たるものが、ロータスタイプ104、ロータス オメガ(イギリス市場向けはロータス カールトン)である。ベースとなったのはオメガ3000 24Vだが、ロータスが手掛けたチューニングは強烈なものだった。204馬力の直6 3.0L DOHC 24Vエンジンは、ストロークアップにより3.6Lまで排気量を拡大し、さらにギャレットT25タービンをツイン装着した。型式C36GETを与えられたこのエンジンは、377馬力、57.9kgmというハイパワーを発生し、C4コルベットZR-1用の6速マニュアルトランスミッションが組み合わされた。これにより、1655kgという重量級ボディながら、0-100km/hは5.1秒を誇り、また250km/hの紳士協定リミッターを持たなかったことから最高速度は283km/hに達する、超弩級ハイパフォーマンスサルーンであった。足回りのセッティングもロータスにより全面的に見直され、フロントブレーキにはAP製の対向4ポットキャリパーを装備。タイヤサイズはフロント235、リア265サイズの17インチとなっており、これを収めるために前後にオーバーフェンダーを与えられ、大きなリアスポイラーも相まって非常に迫力のあるエクステリアとなっていた。ちなみにイギリス市場向けのロータス カールトンは発表当初、その強烈な性能が悪い意味で話題となり、イギリス議会や警察長官協会、メディアなどから販売を中止するべきという論争が巻き起こる事態となった。

こちらはプロトタイプ時点のロータス オメガ。リアウイング形状など、市販型と異なる部分がいくつか見受けられる。ホイールについてもプロトタイプではスプリットリムだったが、耐久性に問題があったため、市販される際にはモノブロック形状に変更されていた。

ベースとなったオペル オメガ3000と、ロータス オメガの比較。オメガ3000の適度なスポーティ感も好感が持てるが、リアフェンダーアーチを切断したうえでオーバーフェンダーを装着し、心臓部にはほぼ倍の出力のツインターボエンジンを与えられたロータス オメガはやはり迫力が違う。

このロータス オメガ、実はより上級のセネターのハイパフォーマンス版としての計画が発端になったものだった。GMとロータスが当初構想したモデルは、セネターにC4コルベットZR-1用のLT5エンジンを搭載したもの。ちなみにLT5はロータスが設計した5.7L V8 DOHC 32バルブ、375馬力を発生する高性能エンジンだった。しかし、このエンジンに対してセネターのエンジンルームが狭く、搭載が不可能だったため頓挫。代わりにオペルの直6エンジンを強力にチューニングし、オメガに搭載する計画へと変更して生み出されたのがロータス オメガだった。

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