1986年にGMがロータスを買収したことで、GM系メーカーが持つ既存車種にロータスがチューニングを施すという手法がいくつか見られるようになった。その最たるものが、ロータスタイプ104、ロータス オメガ(イギリス市場向けはロータス カールトン)である。ベースとなったのはオメガ3000 24Vだが、ロータスが手掛けたチューニングは強烈なものだった。204馬力の直6 3.0L DOHC 24Vエンジンは、ストロークアップにより3.6Lまで排気量を拡大し、さらにギャレットT25タービンをツイン装着した。型式C36GETを与えられたこのエンジンは、377馬力、57.9kgmというハイパワーを発生し、C4コルベットZR-1用の6速マニュアルトランスミッションが組み合わされた。これにより、1655kgという重量級ボディながら、0-100km/hは5.1秒を誇り、また250km/hの紳士協定リミッターを持たなかったことから最高速度は283km/hに達する、超弩級ハイパフォーマンスサルーンであった。足回りのセッティングもロータスにより全面的に見直され、フロントブレーキにはAP製の対向4ポットキャリパーを装備。タイヤサイズはフロント235、リア265サイズの17インチとなっており、これを収めるために前後にオーバーフェンダーを与えられ、大きなリアスポイラーも相まって非常に迫力のあるエクステリアとなっていた。ちなみにイギリス市場向けのロータス カールトンは発表当初、その強烈な性能が悪い意味で話題となり、イギリス議会や警察長官協会、メディアなどから販売を中止するべきという論争が巻き起こる事態となった。

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