ホンダ HR-V(1998-2006 日本)

ホンダ

コンパクトな車体に高い最低地上高と大径タイヤを組み合わせた、都市型クロスオーバーSUVの先駆的モデルとして1998年に登場した。コンパクトカー「ロゴ」のプラットフォームをベースにしながらも、専用の足回り変更などにより最低地上高190mmを確保。当初はスタイリッシュな3ドアハッチバックスタイルで発売され、直線基調のエッジが効いた外観デザインが特徴であった。

パワートレーンは、最高出力105馬力の1.6リッター直列4気筒SOHC(D16A型)と、125馬力を発生するVTEC仕様の2種類が設定された。トランスミッションは5速MTのほか、ベルト式CVTの「HMM-S」が組み合わされた。駆動方式はFFに加え、前輪の空転時に後輪へ油圧で駆動力を分配するデュアルポンプ式のリアルタイム4WDが用意され、生活四駆としての高い実用性を備えていた。

1999年には利便性を高めた5ドアモデルが追加され、ホイールベースを100mm延長することで後席の居住性と荷室空間が大幅に向上した。上級のVTEC仕様(JS4)のCVT車には、ステアリングスイッチで変速特性を切り替える「ステアシフト」機能が搭載され、俊敏な走りを可能にした。安全面では、独自の衝突安全技術であるGコントロールを採用したボディ構造が奢られていた。

HR-Vは、本格的な悪路走破性よりも都市部での機動性とデザイン性を重視した、現代のクロスオーバーSUVの概念を先取りしたモデルであった。乗用車由来の扱いやすさと高めのアイポイントを融合させたパッケージングは、独自の存在感を放った。その先進的な思想は国内外の市場に影響を与え、後のコンパクトSUVブームの方向性を予見した先駆車として評価されている。

販売翌年に追加された5ドアモデルはこちら。ホイールベースを拡大することで実用性を向上し、リアドアが追加されることでスタイリングもより一般受けするものへと変わっている。

日本ではHR-Vは1代限りで販売が終了してしまったが、海外へと目を向けると、この名称は現役である。というのも、ヴェゼルが海外の多くの国でHR-Vという名前で販売されているのである。また、北米ではZR-VがHR-Vとして販売されており、このあたりは若干ややこしい事になっている。

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