トヨタ ブレイドマスター(2007-2012 日本)

トヨタ

ブレイドマスターは、上級ハッチバック「ブレイド」の最上級仕様として2007年8月に追加された。「洒落た大人のスポーツハッチ」をコンセプトに開発され、既存のコンパクトカーの常識を覆す贅沢なメカニズムを投入。プレミアムハッチバックとしての利便性と、高級セダンに比肩するゆとりある走りの融合を目指した意欲作である。

最大のハイライトは、全長4,260mm、全幅1,760mmという比較的コンパクトな車体に、大型の3.5リッターV型6気筒自然吸気エンジン「2GR-FE型」を搭載した点にある。当時のクラウンやレクサスISなどの上級セダンに採用されていたこの心臓部は、最高出力280馬力、最大トルク35.1kgmを発揮。このクラスとしては過剰とも言える大パワーをフロントフード内に詰め込んだ。

この大出力を受け止めるため、シャシーや足回りにも入念な対策が施されている。サスペンションには、V6エンジンの重量とハイパワーに見合った専用チューニングのスプリングやショックアブソーバーを奢り、フロントブレーキを16インチへと大径化。変速機にはパドルシフト付きの6速ATを組み合わせることで、強大なトルクを適切にいなし、優れた高速直進安定性を実現した。

ブレイドマスターは、欧州のホットハッチとは一線を画す「マルチシリンダーの余裕」という独自の高級感を提示した。しかし、大排気量ゆえの自動車税などの維持費や、その後に加速したダウンサイジングの潮流もあり、2012年に生産を終了。日本の自動車史において、後にも先にも類を見ない大排気量コンパクトとして今なお異彩を放っている。

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