2002年2月に発売された「三菱 ランサーエボリューションVII GT-A」は、シリーズ初となるオートマチックトランスミッションを採用した高性能スポーツセダンである。「エボ7」の通称で親しまれた第3世代を基に、過激な競技志向を和らげ、日常の快適性と上質なツアラー性能を融合させた新機軸として市場へ投入された。車名に冠された「GT-A」は、グランドツーリングを意味するGTにオートマチックの頭文字を組み合わせたものである。
外観は、冷却用開口部を排して滑らかに整えられたアルミ製エンジンフードや、中央に配置されたフロントナンバープレートが大きな特徴である。外板色には専用に新設定されたディープブルーやライトゴールドを含む全6色が用意され、落ち着いた佇まいを強調。空力装備は標準の小型後部スポイラーに加え、精悍な大型ウイングやシックなスポイラーレスの計3タイプから選択が可能であった。室内も同様に多彩な選択肢が与えられ、長距離巡航に適した標準ファブリックシートのほか、上質な本革シートやホールド性に優れるレカロ製バケットシートが設定された。
心臓部には名機2.0リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボ「4G63」ユニットを搭載。低中速域の応答性を重視した専用タービンと電子制御5速AT「INVECS-II」を組み合わせ、272psを発生した。駆動系には電子制御油圧多板クラッチによるACD(アクティブ・センター・ディファレンシャル)とAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を備え、ステアリング上のスイッチ操作による変速と相まって、イージードライブと高次元の旋回性能を両立させた。
純粋なコンペティションベースから洗練された大人のGTセダンへと間口を広げた同モデルは、ハードコアな愛好家のみならず幅広い支持を獲得した。モータースポーツ直系の卓越した走行性能と日常の実用性を高い次元で融合させ、後年のエボリューションシリーズにおける2ペダルモデル展開の礎を築いた1台である。
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