ダッジ レイダー(1987-1989 アメリカ)

ダッジ

1987年に北米市場で発売された「ダッジ レイダー」は、クライスラーと三菱自動車の提携関係に基づき供給された小型クロスカントリー4WDである。当時急成長していたコンパクトSUV市場へ迅速に参入すべく、日本で高い評価を得ていたパジェロ(北米名モンテロ)のショートホイールベース仕様をベースにOEM供給を受け、ダッジの販売網を通じて販売された。

外観は、専用のフロントグリルやバッジ類によってダッジの意匠を与えつつも、スクエアで無骨なパジェロ本来の堅牢なスタイリングを色濃く残していた。内装には傾斜計や高度計を備えたダッシュボード中央の3連メーター、過酷な悪路走行時の衝撃を緩和する運転席サスペンションシートなど、本格的なオフロード走行を意識した実用装備が惜しみなく投入された。

心臓部には、当初2.6リッター直列4気筒SOHCガソリン「4G54」ユニット(109hp)を搭載し、1989年には3.0リッターV型6気筒「6G72」ユニット(143hp)を追加設定。副変速機付きのパートタイム4WDシステムを備え、前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にリーフスプリング支持の車軸式サスペンションを組み合わせることで優れた走破性を確保した。

手頃な価格と確かな悪路走破性で一定の支持を集めたものの、1987年にクライスラーがAMCを買収して「ジープ」ブランドを手に入れたことで社内競合が発生。自社製SUVの拡充に伴い存在意義が薄れ、1989年モデルをもってわずか3年で販売を終了した。日米提携が生んだ個性的なOEMモデルとして、現在も記憶されている。

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