中身はほぼF1マシンのアルファロメオ164
FISAはツーリングカーの外観を持ちながら、F1用エンジンを搭載したマシンのレース、「プロカー」シリーズの導入を計画していた。これに呼応したのがアルファロメオ。当時発表されたばかりの164のプロモーションとしても格好の舞台であったため、164のプロカーが誕生。開発に関しては、アバルトと当時F1活動を休止中だったブラバムのエンジニア達によって行われたため、アバルトの開発コード「SE046」とブラバムの開発コード「BT57」が与えられた。カーボン製のボディワークは通常の164の様に見えるが、その中身はF1そのものと言って良いものだった。F1用に開発された3.5Lのアルファロメオ製V1035型V10エンジンは12,000rpmで600馬力を発生。レギュレーションいっぱいまで軽量化された車体はわずか750kg。最高速度は340km/h、0-400mは9.7秒、0-100km/hは2.1秒を誇った。しかしながらプロカーシリーズにアルファロメオ以外の参加者が出てこなかったためシリーズ自体が不成立になり、164プロカーも活躍の場を失った。
ブラバムの中の164プロカーの位置付け
ブラバムのコードネームを並べてみるとBT57だけ異様で面白い。ブラバムのF1活動は、1987年いっぱいを持って一度休止となる。チーム代表のバーニー・エクレストンが、その後のブラバムのエンジニアの働き口を確保するために164プロカーに参画したという裏事情もあったよう。
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