ブルックリン SV-1(1974-76 アメリカ)

その他

アメリカの起業家、マルコム・ブルックリンが自身の名を冠したスポーツカーを産み出した。SV-1と名付けられたこの車、SVは”セーフティ・ビークル”を意味し、その名の通り高い安全性がアピールポイントとなっていた。車体はロールケージを備えたスチール製のペリメーターフレームを持ち、グラスファイバー製の外皮は表層に無塗装の特殊なアクリルを接着したもの。これに耐衝撃性とデザインを両立した5マイルバンパーを装備。片側40.8kgのガルウイングドアは油圧シリンダーによって動作するが、この故障が大きな欠陥だった。エンジンは当初AMC製の5.9L V8 220馬力を搭載し、4速MTもしくは3速ATと組み合わされた。しかし、このエンジンの確保に窮したため、75年よりサブフレームの再設計をしたうえでフォード製の5.8L ウィンザー V8 175馬力と3速ATの組み合わせに変更された。生産はカナダのニューブランズウィック州セントジョンの工場で行われた。この地域の雇用対策の意味合いもあり、州政府より資金援助も受けていた。当初はシボレー コルベットのライバルとして期待されたが、品質不良や労働問題、コスト増に伴う高価格などが足を引っ張り、1976年に生産を終了した。総生産台数は推定2854台。

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