1986年に登場したフォード トーラスはLTDに替わる中型セダンとして米国内で圧倒的な人気を博した。そのラインナップの中で、西ドイツを筆頭とする欧州製ハイパフォーマンスセダンに対抗するために追加されたスポーツモデルがSHOだった。SHOは(スーパー・ハイ・アウトプット)の意味で、その名に相応しい高出力のエンジンが搭載されていた。標準のトーラスには3.0L V6 OHVが搭載されていたが、「ショーグン」と呼ばれたSHO用エンジンはこれをベースにヤマハ発動機が大幅に手を加えたものとなっていた。可変吸気マニホールドを備え、アルミ製のシリンダーヘッドは4バルブDOHC化されていた。ベースエンジンと同じ3.0Lの排気量ながら220馬力の最高出力を誇りレブリミットは7300rpmに設定された。これにマツダ製の5速マニュアルを組み合わせ、0-100km/hは7秒以下、0-400mは15.2秒、最高速度230km/hをマークした。足回りも強化され、ブレーキは4輪ディスク化、外装も専用サイドスカートなどが与えられた。トーラスSHOは初年度に1.5万台以上を販売する大ヒットとなり、92年にはエンジン排気量を3.2Lに拡大しボディパネルを一新した2世代目へと進化した。
SHO(スーパー・ハイ・アウトプット)たる所以のエンジンは「ショーグン」と呼ばれた。ヤマハの手により4バルブDOHCヘッドを与えられ、当時のFF車としては最高峰の220馬力を誇った。また最高回転数7300rpmを許容する高回転型の特性は、それを苦手とするOHVが多かった当時のアメリカ車のエンジンにおいて特筆すべき点であった。
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