MGF(1995-2002 イギリス)

MG

イギリスのMGブランドはかつてMGミジェットやMGBなどを販売し、ライトウェイトオープンスポーツの主役であった。1980年にMGB生産終了後は、しばらくこの分野から離れていたが、マツダMX-5の成功に影響を受け、MGとしても久々にオープンスポーツを新開発することとなった。こうして生み出されたのがミドシップレイアウトを採用したMGFであった。オープンながらも高い剛性を持つモノコックボディに、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションの組み合わせ。ショックアブソーバーにはバネではなくハイドラガスを使用していた。エンジンは1.8LのローバーKユニットを搭載。直4 DOHC 16バルブは118馬力を発生させ、さらにVVC付は145馬力となっていた。99年のマイナーチェンジでは1.6L版やイージードライブが楽しめるステップトロニックと呼ばれるCVT仕様がラインナップされ、2001年にはより高性能版の「トロフィー160」を限定販売した。MGFは2002年に大きな変更を受け、これに伴いMG TFへと車名が変更された。

MGFのステップトロニックについて補足する。これは日本ではなじみのない仕様であるが、CVTを採用しつつシフトレバーおよびステアリングのボタンでF1マチックのように手動で6段変速が可能であった。ライバル車のMR-Sには、こちらもイージードライブを狙ったシーケンシャルトランスミッション仕様がラインナップされており、海外ではライバル車として比較されていた。

このメトロバンは1993年ごろに製作された、MGF開発用のテストミュール。ドアにはピザ業者の24時間デリバリーのステッカーが貼られていた。ぱっと見は若干の違和感を感じる程度だが、リアカウルは大きく開き、その中にはミドに横置きされたローバーKエンジンが顔をのぞかせる。

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