ホンダ レジェンド クーペ(1987-1991 日本)

ホンダ

レジェンドクーペは、最高峰ラグジュアリーカーとして1987年2月に登場した。4ドアセダンをベースにしながらも、単にドア数を減らしただけでなく、パーソナルクーペとしての独自のプロポーションが徹底追求された。セダンに対しホイールベースを55mm短縮する一方、全幅を1,745mmへ拡大。低くワイドな美しいスタイリングを実現し、当時の日本車では珍しい、当初からの3ナンバー専用プレミアムクーペとして独自の存在感を放った。

パワートレーンには、2.7リッターV型6気筒SOHC24バルブ(C27A型)エンジン(180馬力)を搭載。駆動方式はFFを採用した。足回りには、セダンに先駆けてリアにもホンダ独創のダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。さらに、先進の安全装備として3チャンネル・デジタル制御A.L.B.(アンチロックブレーキ)を標準搭載し、優れた操縦安定性としなやかな乗り心地、高い制動性能を両立させた。

インテリアには天童木工製の最高級本杢パネルや本革シートが奢られ、フラッグシップにふさわしい空間が演出された。さらに本車の重要な歴史的意義として、同年9月のマイナーチェンジ時に、日本車初となる「運転席SRSエアバッグシステム」を搭載したことが挙げられる。当時はまだ安全装備への意識が過渡期であった日本市場において、ホンダの先進的な安全思想をアピールする事となった。

レジェンドクーペは、日本の高級車市場に「FFグランツーリスモ」という新たな価値をもたらした。その高い完成度は海外でも評価され、北米市場では新設の高級車ブランド「アキュラ」のフラッグシップとして導入されて大きな成功を収めた。最先端の安全技術と流麗なデザインを融合させ、最高級ラグジュアリークーペの概念を定着させた車である。

レジェンドクーペ用のC27Aエンジンはシングルカムながら、プッシュロッドとロッカーアームを組み合わせる機構で4バルブを実現。このエンジンは、NSX用C30Aエンジンのベースとなった事でも知られている。

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