キャデラック XLRは、電動格納式メタルトップを備えた2シーターロードスターである。当時のデザイン哲学「アート&サイエンス」を具現化した、エッジの効いた直線的なスタイリングが特徴。内装には、ブルガリ社がデザインを手がけたメーターパネルやダッシュボードのアナログ時計などを採用しており、独自のラグジュアリー感を演出した。
メカニズムでは、同時期のシボレー コルベット(C6)とプラットフォームを共有する。しかし単なる姉妹車にとどまらず、心臓部にはキャデラック専用の4.6LのV型8気筒DOHC32バルブ「ノーススター」エンジン(324馬力、42.8kgm)を搭載。パワートレーンをトランスアクスル配置とし、5速AT(のちに6速AT)と組み合わせることで理想的な前後重量配分を実現した。
足回りには、路面状況に応じて減衰力を電子制御する、磁気粘性流体を使用した「マグネティックライドコントロール」を標準装備。スポーツカーの鋭いハンドリングとブランド伝統の快適な乗り心地を融合させた。さらに2005年には、4.4L V8 DOHCスーパーチャージャーを積む高性能版「XLR-V」も追加されている。
XLRはコルベットと同じケンタッキー州の工場で生産され、日本国内にも正規輸入された。高い走行性能と贅沢な世界観を融合させた同車は、販売台数こそ限定的であったものの、2009年の生産終了にいたるまで、キャデラックのフラッグシップスポーツとして独自の存在感を放ち続けた。

こちらが高性能版のXLR-V。4.4Lのスーパーチャージャー付きノーススターエンジンは449馬力、57.2kgmを発生。トランスミッションは標準車に先行して6速ATが搭載された。パワーアップに見合うよう、コルベットZ51用の大型ブレーキシステムも奢られる。

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