ルノー シエテ(1974-1984 スペイン)

ルノー

1974年に登場した「シエテ(Siete、数字の7の意)」は、スペインの現地法人FASAルノーが主導して開発・生産した3ボックス構造の4ドア小型セダンである。世界的ヒット作となった初代「ルノー 5(サンク)」をベースとしながらも、ハッチバックよりも独立したトランクを持つ4ドアセダンを好む当時のスペイン市場の強い要望に応えて誕生した。

車体はルノー5の基本骨格を流用しつつ、後席の居住性を高めるためホイールベースを約100mm延長。独立したノッチバックトランクを結合することで端正なセダンプロポーションを実現した。本国のルノー5が樹脂製大型バンパーを採用していたのに対し、シエテは保守的な現地ユーザーの嗜好に合わせてスチール製クロームバンパーを装備するなど、独自の外観が与えられていた。

当時のスペインでは排気量1,040ccを超えると大幅に税率が跳ね上がる仕組みになっていたため、低税率枠の上限を狙った1,037ccの直列4気筒エンジンを開発。フロント縦置きで搭載し、50馬力、6.9kgmを発揮した。のちに税制が見直されたことで排気量枠の制約がなくなり、1979年のマイナーチェンジで車名を「ルノー 7」へ改称するとともに、実用域のトルクを重視した1,108cc(45馬力/8.0kgm)ユニットへと移行した。

本国フランスでは5ドア版ルノー5が人気を博していたためセダン仕様の導入は見送られ、シエテはほぼスペイン市場専用モデルとして約16万台が生産された。ルノーのグローバル戦略と現地市場の独自ニーズ、そして特有の税制が融合して生まれたユニークな派生車として、自動車史にその名を残している。

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