2006年に登場した「C30」は、都市型ユーザーやパーソナルユースをターゲットに開発されたプレミアム3ドアハッチバックである。往年のスポーツワゴン「1800ES」やクーペ「480」のデザイン要素を現代に甦らせたフレームレスのオールガラステールゲートや、大きく張り出したショルダーラインなど、独創的でスタイリッシュな造形が大きな注目を集めた。
プラットフォームには2代目フォード フォーカスと共通のフォードC1を採用。室内は独立したバケットタイプの後席を備える完全4人乗りレイアウトとし、薄型パネルが宙に浮くような「フリーフローティング・センタースタック」と呼ばれるセンターコンソールを採用した。全長4,250mmほどのコンパクトな車体でありながら、ボルボが特許を取得した前面変形構造や側面衝撃吸収システム(SIPS)など、上級サルーンに匹敵するボルボ独自の強固な衝突安全構造が織り込まれていた。
パワートレーンには、欧州市場向けのエントリーを担う経済的な1.6リッター直列4気筒(100馬力)や同排気量のターボディーゼル、実用的な2.0リッター直列4気筒(145馬力)に加え、2.5リッター直列5気筒ターボを積む高性能モデル「T5」を設定。最高出力230馬力を誇り、32.6kgmを1,500〜5,000rpmの回転域で発生させ、太いトルクを活かした力強い加速性能を実現した。さらに専用チューンドサスペンションやボディキット、専用18インチホイールを備えた最上位スポーティグレード「T5 R-DESIGN」が用意され、俊敏なハンドリング性能を際立たせた。
2010年にはフロントマスクを中心とする大幅なフェイスリフトを受け、より精悍な表情へと進化。専用ECUチューニングによりエンジン性能を250馬力、37.7kgmまで高めた「ポールスター エディション」も展開され、ホットハッチとしての魅力を磨き上げた。2013年に後継の5ドアモデル「V40」へ統合される形で生産終了となったが、そのアヴァンギャルドなスタイルはボルボのブランド史に確かな足跡を残した。

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