ボルボ C70(1996–2005 スウェーデン)

ボルボ

1996年のパリモーターショーで登場したボルボ C70は、850をベースに開発された本格的スペシャリティクーペである。従来の「四角い安全な車」からの脱却を図り、ボルボはツーリングカーレースですでに協力関係にあった、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)とタッグを組んで合弁会社を設立。TWRのイアン・カラムが流麗なエクステリアを手がけ、ボルボのデザイン責任者ピーター・ホーベリーらが統括する体制で開発された。

パワートレーンには2.0~2.4リッターの直列5気筒エンジンを採用し、ターボモデルは扱いやすいライトプレッシャー仕様とパワー重視のハイプレッシャー仕様が使い分けられた。最上級グレード「T-5」には、850Rの系譜を継ぐ2.3リッター直5ハイプレッシャーターボが搭載され、最高出力240馬力、最大トルク33.7kgmを発揮した。このエンジンと5速MTの組み合わせにより、C70クーペは0-100km/h加速6.9秒、最高速度250km/hを達成。TWRによるシャシーチューニングと相まって本格派GTとしての性能を誇った。

登場の翌年には、電動ソフトトップと横転保護システム(ROPS)を備えたカブリオレモデルが追加された。優美なフォルムと高度な安全性を両立したオープンモデルは、特に北米市場で絶大な支持を獲得。生産台数はクーペよりもカブリオレが大幅に上回り、本モデルの評価を決定づける主力商品となった。

流麗なスタイリング、250km/hの走行性能、そしてカブリオレによる市場での成功は、ボルボのブランドイメージを大きく刷新した。安全な実用車メーカーから洗練されたプレミアムブランドへと脱皮を図るうえで、C70は決定的な役割を果たした一台である。

C70カブリオレは、クーペ譲りの流麗なデザインと最高峰の安全性を高い次元で融合させたオープンモデルである。屋根を排した美しいスタイリングを保持しつつ、車体の補強や先進の横転保護システム(ROPS)を搭載。万が一の横転時には、瞬時にロールバーが展開し、ボルボらしい妥協のない乗員保護性能を実現した。エレガントな走りと強固な安心感を兼ね備えた同車は、特に北米市場で絶大な人気を博し、C70シリーズ全体の評価を確固たるものとした。

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