2004年に登場した「156クロスワゴンQ4」は、アルファロメオが主力の「156スポーツワゴン」をベースに開発したクロスオーバーモデルである。1990年代の「155 Q4」や「164 Q4」以来となる伝統の四輪駆動バッジ「Q4」を復活させ、当時欧州で急速に需要を高めていたオールロード市場へ投入された。流麗なイタリアンデザインと悪路走破性を融合させた意欲作である。
外観は、ベース車の美しいプロポーションを維持しながら、最低地上高を約65mmリフトアップ。前後の専用バンパーにはスチール製インサートを配置し、サイドシルにも強固なアンダープロテクションを配してタフなクロスオーバー意匠を確立した。さらに、大径の225/55R17オールシーズンタイヤを収めるべく専用のワイドフェンダーアーチが与えられている。
駆動システムには、トルク感応型センターディファレンシャルを用いたフルタイム4WDを採用した。前後基本トルク配分を前42対後58とリア寄りに設定することで、四輪駆動の安定性を確保しつつ後輪駆動車のような回頭性を両立。4WD化による車重増加(約1,530kg)や下り勾配での負荷に備え、フロントに高性能モデル「156 GTA」と同一仕様であるブレンボ製対向4ピストンキャリパーと330mm大径ディスクを標準装備した。
心臓部には、1.9リッター直列4気筒「JTDマルチジェット」コモンレール式ターボディーゼルを搭載。最高出力150PS、最大トルク305Nmを発揮し、変速機には6速マニュアルのみが組み合わされた。低回転から力強いトルクを発揮するディーゼル、フルタイム4WD、そして強力なストッピングパワーを融合させ、悪路から高速巡航までこなす全天候型ツアラーとして独自の位置を築いた1台である。

スポーティな156のイメージを覆すクロスワゴンQ4のラフロードでの走り。現在でこそSUVが主力となりつつあるアルファロメオだが、当時は明確に異端の存在だった。近年のSUVラインナップの原点として、記憶に留めておきたい1台である。

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