フォード エスコート RS1700T(1982 イギリス)

フォード(欧州)

フォードが初めて手掛けたGr.Bマシン

Gr.4のMk.ⅡエスコートRS1800の後継車として計画されたGr.Bマシンは「コロンビア」と呼ばれるプロジェクト名で開発が進められた。ベースとなったMk.Ⅲエスコートはエンジン横置きの前輪駆動車として市場に投入されていたが、Gr.Bラリーカーではオーソドックスな後輪駆動に改められた。開発には、元ポルシェのエンジニアであるジョン・ウィーラーが携わっており、前後重量配分の最適化のためにポルシェ928や924で採用されたトランスアクスル方式を採用した。エンジンは1.8LのコスワースBDT(BDAのターボ過給版)を搭載し、350馬力を発生させた。また、これと並行してブライアン・ハートの手による300馬力のF2用2.3L NAエンジンも検討された。しかし、日々進化するライバルに対してポテンシャル不足は否めず、また生産面での問題も露見しており、プロジェクトは破棄された。フォードはここで体制を立て直し、ミドシップエンジン4WDかつフロントにトランスアクスルを採用する革新的なRS200の開発に注力していくことになる。

市販車のエスコートと、RS1700Tのメカニズム比較。モノコックこそ同じだが、エンジンは縦置き配置され、トランスアクスル方式の後輪駆動に改められる大改造を施されている。とはいえ、これより後に続くGr.Bマシンと比較すれば、まだ市販車との共通点が多い。

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