ヨーロッパで初のターボエンジン搭載モデルは、航空機エンジンでターボチャージャーの経験が豊富だったBMWが市場に投入した2002ターボだった。1973年秋のフランクフルトモーターショーでデビューし、翌1月から市販が開始された。エンジンは2002tii用の1990cc 直4 SOHCがベース。ノッキング防止のために圧縮比を9.5:1から6.9:1へと落としたうえでKKK製ターボチャージャーを組み合わせ、2002tii比較で40馬力アップの170馬力、24.5kgmを発生。大型ラジエターとオイルクーラーを装備し、冷却系も強化。足回りも強化されたうえで、外装はFRP製の大きなフロントエアダムとオーバーフェンダー、ゴム製のリアスポイラーが装備された。初期モデルのフロントエアダムには左右反転の”turbo”ロゴが入れられたが、前走者のバックミラー越しにプレッシャーを与えると言う交通安全運動家からの苦情を受け、のちに廃止された。残念ながらこの車の登場時期がちょうどオイルショックと重なっており、燃費の悪いスポーツモデルへの風当たりは急激に強まっていた。そのため、2002ターボはわずか1700台弱のみが生産されるに留まった。
ちなみに、2002ターボには標準でFRP製オーバーフェンダーが装着されていたが、日本仕様では後付けオーバーフェンダーは認可されず、スチール製を溶接したうえでパテ埋め処理されていた。
関連ブログ
ヨーロッパで初の量産ターボ車はBMW 2002ターボだが、世界初となるとこちらの車。2002ターボよりも10年以上も早いデビューだった。
2002ターボは、ETCに参戦していた2002tikの経験を元に開発された市販車だった。
画像ギャラリー