マツダのフラッグシップセダンとして、ベルトーネによるイタリアンデザインを与えられて誕生したのが初代ルーチェ。その登場3年後にはクーペモデルが追加された。これは67年の東京モーターショーに参考出品されたRX87の市販版であった。ロータリークーペの名の通り、セダンには未設定のロータリーエンジンが搭載されており、エンジンは新開発の13A型を採用。655cc×2ローターで126馬力の高出力を発生した。駆動方式はマツダ初の前輪駆動となっており、後輪駆動であったセダンとは実質的に異なる車となっていた。ボディスタイルは三角窓およびセンターピラーを排したハードトップとなっており、セダン比で全長は215mm延長され、伸びやかなデザインとなっていた。ロータリークーペは高価なモデルであり、上級のスーパーデラックスは175万円のプライスタグを掲げていた。その装備は、パワーステアリング、パワーウィンドウ、エアコン、カーステレオと快適装備が満載されていた。総生産台数は976台であった。

初代ルーチェについてセダンとロータリークーペを並べてみる。セダンの基本的なテイストは残しつつ、クーペではよりエレガントなデザインとなっていた。そして同じルーチェという名前は冠されているが。その中身はエンジンも駆動方式も違う、まったく別の車になっていた。

画像ギャラリー





