初代マーチ(K10型)をベースに開発されたラリー競技向けホモロゲーションモデル。最大の特徴はそのエンジンで、競技のレギュレーションにおけるターボ係数1.7を乗じても1600cc未満のクラスに収まるように、標準の987ccから930ccへとボアダウン(930cc×1.7=1581cc)。これにスーパーチャージャーとターボチャージャーを組み合わせた国産初のダブルチャージエンジン「MA09ERT型」を搭載した。これにより、小排気量ながら110馬力、13.3kgmというハイパワーを発生。これに超クロスレシオの5速マニュアルとLSDを装着し、そのパワーをフルに生かした。マーチRはその装備別にノーマルおよびタイプ1~3が用意され、オイルクーラーやロールバー、大型フォグランプにトリコロールカラーまでラリー装備がフルで用意されたのはタイプ1であった。

マーチRはあくまで競技向けのスパルタンなモデルであったが、これをベースに快適装備を充実させた一般向けスポーツグレードである「スーパーターボ」が1989年にラインナップされた。こちらはシンプルな外装のマーチRとは異なり、専用大型バンパー、サイドシルプロテクター、ルーフスポイラーなどのエアロパーツで武装。また、5速マニュアルのほか、3速オートマチックも用意されていた。

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