サソリの紋章を冠した「アバルト」ブランドとしてブラジルで初めて開発・生産されたSUVが「パルス アバルト」である。ブラジル国内で高いシェアを誇るコンパクトSUV「フィアット パルス」をベースに、ステランティス南米チームがアバルトのレーシングスピリットを注入。SUVの利便性とスポーツカーの官能性を高次元で融合させた。
エンジンは、1.3L 直列4気筒ターボ「Turbo 270」を搭載。最高出力はガソリン仕様で180馬力、ブラジルで一般的なエタノール仕様では185馬力を発揮する。トランスミッションは専用制御の6速ATで、0-100km/h加速は7.6秒(エタノール仕様)とクラス屈指の俊足を誇る。シャシー面では車高を下げ、バネレートの強化やスタビライザーの大径化を施すことで、SUVの常識を覆すダイレクトなハンドリングを実現した。
外装デザインは、アバルトのアイデンティティである「赤」のエッセンスを随所に配し、フロントグリルの中央には誇り高きサソリのエンブレムが鎮座する。室内は黒を基調に赤いステッチが施されたスポーツシートを採用。ステアリングに配置された「ポイズン(Poison)」ボタンは、エンジンマッピングと変速制御を瞬時に過激なモードへと切り替え、デジタルメーターが専用の赤いグラフィックへと変化する演出がなされている。
2025年には、初のマイナーチェンジにより内外装のアップデートが実施された。「パルス アバルト」は、実用車に魔法をかけるカルロ・アバルトの哲学が、南米の地でSUVという新たな形をとって結実した姿である。ブラジルの過酷な環境にも耐えうる堅牢さと、サーキットを駆け抜ける情熱を併せ持つこの「SUVのサソリ」は、SUV全盛時代におけるアバルトの新しい道を示すモデルである。

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