マセラティ トロフェオ(2003 イタリア)

マセラティ

マセラティ トロフェオは、ワンメイクレース用に開発されたサーキット専用車である。ベースとなったのは当時の市販車「マセラティ クーペ」。同社のモータースポーツ部門であるマセラティ・コルセが手がけ、ルカ・バドエルやルチアーノ・ブルティなど、当時のフェラーリF1テストドライバーによる入念なテストを経て完成した純然たるレーシングカーである。

最大の特徴は、エレガントな外観の内部に施された徹底的な軽量化だ。エアコンや遮音材、快適な内装品といったレースに不要な装備をすべて剥ぎ取ることで、ベース車両から約320kgもの劇的な減量を達成し、乾燥重量は1,370kgに抑えられた。車内には強固なロールケージやバケットシート、100リットルの安全燃料タンクが配置され、高い安全性を確保している。

パワーユニットには、4.2リッターV型8気筒自然吸気エンジンを搭載する。専用のレース用ECUマッピングを奢ることで、最高出力は市販モデルから引き上げられた413馬力、最大トルクは460Nmを発揮。トランスミッションには、リアデファレンシャルと一体配置されるトランスアクスル方式の6速セミAT「カンビオコルサ」を組み合わせ、理想的な前後重量配分を実現した。

足回りには、専用チューニングのサスペンションやブレンボ製ブレーキシステム、スリックタイヤを装備する。本国ではレース参戦用のパッケージとして運用されたため一般への市販はされず、レース終了後の車両の多くはメーカーに引き上げられた。現在では極めて希少なコンペティションモデルである。

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