ホンダ クロスロード(1993-1998 日本)

ホンダ

ホンダが1993年10月に発売した「クロスロード」は、英国ランドローバー社の本格クロスカントリー4WD「ディスカバリー」のOEM供給を受けて誕生したモデルである。当時の日本国内では1990年代初頭からRVブームが急速に高まっていたが、自社で本格的なクロスカントリー4WDを持たなかったホンダが、ラインナップの穴を埋めるべく投入したモデルであった。

OEM供給が実現した背景には、1970年代末から続いていたホンダと英国ローバーグループ(当初はブリティッシュ・レイランド)との深い資本・技術提携関係が存在した。自社で本格RVをゼロから開発するには膨大な時間とコストを要するため、すでに高い評価を得ていたランドローバーのコンポーネントを活用することが最適と判断された。ホンダブランドとして販売するにあたり、フロントグリルやステアリングホイールのエンブレム類がホンダ表記へと変更された。

発売当初はショートボディの3ドア(5人乗り)とロングボディの5ドア(7人乗り)が設定されていたが、1994年7月に本国仕様のディスカバリーのマイナーチェンジに合わせた大規模な改良が実施された。フェイスリフトや新デザインのアルミホイールが採用されたほか、運転席・助手席SRSエアバッグシステムやABSの標準装備、インストルメントパネルのデザイン刷新など、安全性と快適性が大幅に向上した。これに伴い3ドアモデルは廃止され、5ドアモデルへと一本化された。

パワートレーンには、最高出力180馬力を発生する3.9リッターV型8気筒OHVガソリンエンジンに4速ATを組み合わせ、センターデフ機構を備えた本格的なフルタイム4WDシステムを採用。クロスロードはモデルラインナップの空白を埋めることでホンダのRV戦略における過渡期を支えたが、自社開発の「CR-V」などの成功や、BMWがローバーグループを買収したことによる提携解消に伴い、1998年に販売を終了した。

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