2002年1月の東京オートサロンにおいてスズキが参考出品した試作車が「隼(ハヤブサ)プロトタイプ」(英語名:Hayabusa Sport Prototype / HSP)である。競技用車両「フォーミュラ スズキ隼」をベースとし、スズキスポーツが主導、スズキ本社の支援のもと公道走行を視野に入れた2座クーペとして開発された。
最大のハイライトは、当時、量産二輪車として世界最速を記録した「GSX1300Rハヤブサ」用の1,299cc直列4気筒DOHCエンジン(175PS/14.1kgm)を搭載した点にある。フロントミドシップにエンジンを縦置きするFRレイアウトを採り、二輪由来の6速シーケンシャル変速機に専用の後退ギアを統合。前後重量配分は理想的な50対50を達成した。
骨格には、スズキスポーツオリジナルのスチールパイプとアルミパネルで構成された専用フレームを採用し、カウルには軽量なカーボンFRPを奢った。全長3,790mm、全幅1,760mm、全高1,100mmの極めて低い体躯に対し、車重はわずか550kgにとどまる。足回りには前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを備え、ガルウィングドアも採用された。
二輪と四輪の双方を手がけるスズキの技術的強みを凝縮したこのコンセプトカーは、市販化を望む声が多く寄せられた。衝突安全基準への適合や採算性の課題から量産化には至らなかったものの、徹底した軽量化と超高回転型ユニットの組み合わせを提示した意欲的なコンセプトカーとなった。

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