ドイツ・ハノーファーのギュンター・アルツ率いるオートハウス・ノルトシュタットにより、1992年にワンオフで製作されたのが「アルツ ロータス カリブラ」である。大破して全損扱いとなったロータス・オメガ(シャシー番号704番)のシャシーに、オペルの流麗なクーペ「カリブラ」のボディを組み合わせるという大胆な手法によって誕生した。
最大のハイライトは、オメガのワイドトレッドを収めるために施された車幅の拡大である。単にフェンダーを張り出させるのではなく、ボディ全体を作り直すことで標準のカリブラに対して全幅を約12cm拡大。ガラス類や前後バンパーに至るまで緻密に調整され、カリブラ本来の流麗なクーペプロポーションを崩すことなく見事に融合させた。
フロントノーズの下には、ロータスがチューニングを手掛けた3.6リッター直列6気筒DOHCツインターボ「C36GET型」を縦置きで搭載。377馬力、57.9kgmを誇る。駆動方式はオメガのFR(後輪駆動)を踏襲し、ZF製6速MTを介して後輪を駆動。本来は横置き前輪駆動主体の骨格を、直6縦置きFRへと根本から造り替えている。
室内にはオメガから移植されたインパネやメーター、コノリーレザー製シートが収められた。鮮やかなイエローの塗装を纏い、一見すると標準型と見分けがつかないスリーパーでありながら、優れた空力特性(Cd値0.26)により理論上は280km/hオーバーが可能とされた。職人技とも言える高度な車体加工の結晶として、現在も大切に保存されている。

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