1994年の英国国際モーターショーで公開された「ケータハム 21」は、1973年にロータスから「セブン」の製造権を引き継いで21周年を迎えた節目に企画された2シーターのオープンスポーツである。スパルタンなセブン譲りの運動性能を基盤としつつ、流麗なフルカウルボディと実用的な乗降性を付与した近代的なライトウェイトロードスターとして開発された。
骨格にはセブンの鋼管スペースフレームをベースに、サイドシルを高めてねじり剛性を向上させた専用シャシーを採用。1994年の試作車はアルミの手叩きボディであったが、量産化に際してFRP外装へ変更された。尾灯類にはフォード・モンデオのユニットを上下反転して流用する合理的な設計を採用。懸架機構には前輪ダブルウィッシュボーン、後輪ド・ディオンアクスルを踏襲し、ダイレクトな操舵感を確保した。
動力源にはローバー製「Kシリーズ」直列4気筒(1.6リッター/1.8リッター)をフロントミドに縦置き配置し、後輪を駆動。可変バルブ機構付きVVCや高回転型VHPDに加え、ヴォグゾール製2.0リッター16バルブを積む高性能版「HPC」も少数設定された。さらに英国GT選手権向けにフォード製ターボを積む競技仕様「21 GTO」も開発。600kg台半ばの軽量な車重を活かし、鋭い加速と卓越した俊敏性を実現した。
FRPパネルの寸法精度確保や建付けの難航から市販車の納車開始は1996年にずれ込み、同時期に登場したアルミ接着モノコックのロータス・エリーゼとの競合に直面。製造工程の多さや価格設定の難しさも影響し、1999年に生産を終了するまでの確定生産台数は48台に留まった。少量生産メーカーが挑んだ独自の快適ロードスター構想として、自動車史に特異な足跡を残している。

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