1992年に発表された「ケータハム スーパーセブン JPE」は、元F1ドライバーのジョナサン・パーマーとの共同開発により誕生した限定モデルである。「ジョナサン・パーマー・エボリューション」の名を冠し、公道を走るレーシングカーとしての純度を徹底追求。英自動車専門誌によるテストにおいて0-60mph加速3.44秒を記録し、当時の量産市販車における世界最速の加速性能を持つロードカーとしてギネス記録に認定された。
外観はパーマーのヘルメットカラーに由来する鮮烈な蛍光イエロー塗装が目を引く。空気抵抗と重量を減らすため、通常のウインドシールドを廃して小型のエアロスクリーンを備え、ヒーターや内装カーペットなどの快適装備を完全に撤去。カーボンやケブラー素材を随所に導入することで車重を約530kgにまで削ぎ落とし、スーパーカーを凌駕する極めて優秀なパワーウェイトレシオを獲得した。
心臓部にはボグゾール製2.0リッター直列4気筒DOHCユニットを搭載。英スウィンドン・レース・エンジンズ社が競技用技術を注ぎ込み、自然吸気ながら250psを発生する超高回転型へと仕立てられた。4連スロットルやクロスレシオ6速マニュアルを組み合わせ、ド・ディオン式サスペンションを介して極めて鋭敏な操舵応答性を実現。動力性能は0-100mph加速8.47秒、静止状態から100mphへ達した後に急制動して完全停止する「0-100-0mph」テストにおいて12.6秒を叩き出し、吹き曝しのオープントップ構造でありながら最高速度150mph(約241km/h)に達する圧倒的な走りを誇った。
当初は約50台の販売枠が計画されたものの、極限まで先鋭化された設計や価格面から実生産数は約31台にとどまった。強大な制動力と瞬発力を兼ね備え、基本骨格の潜在能力を限界まで引き出したJPEは、電子制御に頼らない軽さと純粋な機械構造の極致として、ライトウェイトスポーツ史に燦然と輝く伝説の一台として語り継がれている。
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