1986年11月に登場した「三菱 パジェロ ロスマンズ スペシャル」は、エジプトで開催されていたファラオラリーにおける活躍を記念し、200台限定で発売された特別仕様車である。当時ラリーの冠スポンサーを務めていた英国ロスマンズ社との共同開発によって実現し、ショートボディの乗用登録モデル「メタルトップワゴン XL」をベースに仕立てられた。
外観は、砂漠のラリーレイドを走破したワークスマシンを彷彿とさせるホワイトとダークブルーのツートーンに、ゴールドとレッドのラインを配したロスマンズカラーを採用。エンジンフード中央やサイドピラーには象徴的なブランドロゴがあしらわれ、フロントグリルには光沢あるメッキパーツが奢られた。室内にも専用ロゴ刺繍を施したモケットシートが備わり、タバコ広告規制が厳格化する前の時代ならではの、ワークスカラーを忠実に再現した公式市販車という高い文化的価値を備えている。
心臓部には、実用域の粘り強さと信頼性に定評のある2.5リッター直列4気筒OHCディーゼルターボ「4D56」ユニットを搭載し85psを発生。これに5速マニュアル変速機と副変速機付きパートタイム4WDシステムを組み合わせてタフネスな走破性を確保した。サスペンションは前輪にダブルウィッシュボーン、後輪には半楕円リーフスプリングを用いたリジッドアクスルを採用している。
1980年代のクロスカントリー4WDブームを牽引したパジェロにおいて、モータースポーツの輝かしい戦歴とタバコブランドの洗練されたイメージを融合させた稀少な1台である。わずか200台という限られた生産数も相まって、現在もファンの間で伝説的な特別仕様車として語り継がれている。

画像ギャラリー





